何かを見た時、聞いた時、触れると痛む柔らかいところというのが誰にでもあると思う。
でも、痛むものは痛む。
例外はなく、私にも、幾つもある。
本当に忘れたら、思い出さない。
随分時間が経ったと思う事に、触れて初めて気付いたりする。
もう止まったと思っていたのに、後からじくじく流れる血もあるということか。
もう留まっていようとは思わないのに、何がしたいんだろう。
でも、痛むものは痛む。
…痛い。
神も御仏もまだ苦しめと言われるのか。
まだ足りないのか。
あと何を経験すればいいのか。
おとぎ話には幸せになった後のことは書かれていない。
どう幸せになったのかは何もない。
ただ、幸せに暮らしましたとさ。で、終わる。
多分私も、幸せになったと思った瞬間に人生が終わる。
それでもいい。
それでいい。
そんなふうにしか考えられない今の自分が一番痛い。
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