2013年5月31日金曜日

宮部みゆき著 「桜ほうさら」の感想。

先週末。
体調悪くて一人で大騒ぎして、翌日病院に行って検査してきました。

その検査って、人によっては大したコトないらしいんだけど、私にとっては大したコトある。



もうね、くぁwせdrftgyふじこlpってなりました。




激痛っていうか、何とも言えないすんごい苦痛。

あまりの苦しさに声も出ない。



その検査のダメージが大き過ぎて、その後翌日まで苦しんでたMegでした。。
先生ごめんなさい。



検査の結果はまだ分かんない。
明日聞きに行って来ます。
ちょっと怖い気もするが。。


まぁいいや。




「桜ほうさら」もう読み終わってました。
感想というか、思ったコトを書きます。
毎度ながら、ネタバレなしです。


「桜ほうさら」ってどういう意味だろうと思ってたら、甲州の方言で「ささらほうさら」という言葉があるらしい。
意味は、「色々あって大変だ」なんだって。
意味はともかく、響きがきれいだなぁって思ってた。
「桜ほうさら」ってコトは、色々あって大変てコトと、桜がたくさんある中で始まる話ってコトを掛けてるんだろうなって思いました。


物語は、浪人笙之介を主人公に宮部先生得意の江戸は深川、富勘長屋を舞台に進んでいきます。
汚名を着せられ切腹した父の、その汚名を雪ぎたいという願いを持って江戸で暮らし始めるところから始まります。

ミステリー色を持ちつつ、人情話って感じかな。
幾つかの別筋の話を織り交ぜながら最後に繋がっていきます。



読んでて強く感じたのは、文字は大事に丁寧に書くようにしよう、と。
日本語って、口頭や読み書きだけじゃなくて、文字そのものが芸術になる。
茶道でお掛け物なんて、画像載せてるでしょ。




脱線するけど昔から高貴な人達は「花押」というのを持っていました。
武将の皆さんとかね。


いや、今でも茶道の家元とか、多分天皇家の人達も持ってるんじゃないかな。
歴代内閣総理大臣(彼らが高貴かどうかは別にして)も持ってます。
エライお坊さんとかも持ってるかも。



こんなヤツ。
私も持ってる茶扇子。
表千家歴代家元の花押です。





茶道の世界では、お道具の箱書きに家元の花押があるだけで価値が上がる。

海外で言うサインみたいなものだけど、真似出来ないようにどこからどう書くのか分からないようになってます。


何よりも、サインじゃものの価値は上がらない。



一般庶民の私達は、通常は印鑑でしょ。
それだって本人確認にしかならないし、もっと正式に本人確認が必要な場合(土地屋敷購入なんかで借金する場合とか)は実印登録して印鑑証明を提出しろとかあるけど、印鑑証明出したところで何かの価値が上がりはしない。
借金の金利とか上がったら最悪だよねぇ。
単なる本人確認。



まぁそれは脱線なんだけど、花押の話じゃなくて、物語の中心になってくるのは文字の「手跡」。
要するに筆跡です。


文字は書く人の為人を映す、らしい。

私で言えば、私の書く文字は、文字だけを見るなら男性の字か女性の字か一見しては分からないって言われたコトがあります。
為人を映しちゃったら、あんまり嬉しくない表現ではある。



書道は習ったコトない。算盤塾派だったもんで。
もし新たに習い事を始めるなら書道やりたいなぁとは思ってるけど。。

一応。。ペン検二級は受かったから、ミミズがのたくっては。。いないと。。思う。たぶん。
数少ない自慢をするなら、漢字検定準一級。(∀`*)ゞイヤァ 
その他なんの役に立つのかよく分からない資格や級なら色々ある。けど、履歴書に書いても「ふうん」で済まされる_| ̄|○ il||li


けど、もう少し自分の文字にも責任を持って書いてみようと思いました。
元々手書きは好きな方だし。




物語の後半、とっても悪い意味で「ジョーカー」的な人物が登場します。
立派な手跡。
でも性格は最悪。
なんだけど、何となく理解出来てしまうその人物のバックグラウンド。
余程の事があって性格が歪んだんだな。。それまではきっと、もっと向上心や前向きな気持ちのある人物だったんだろうなぁ。。と、憎み切れない悪役とでも言うか。
でもインパクトは相当強い。




なんとなく切ない気分にもなるけど、そこは人情話。
それなりに救われる(でも現実的)ラストが用意されてます。
何でもかんでも完ぺきご都合主義的なハッピーエンド話は漫画の世界の領分だと思ってるので、それが本当に救われてるのかどうかは読む人の視点に因ると思います。
ハッピーエンドも読みたい時あるけどね。



確かに今までの時代小説とはちょっと違った切り口だなぁとも感じました。
帯に「新境地」って書いてあったし。



あらすじも何も書かないけど、興味があったら一読をおススメします。
面白かったよ。





2 件のコメント:

  1. 初めまして。

    私も読みました。
    個人的には新潮文庫の「堪忍箱」の頃の時代物が好きです。
    なんとなく最近の宮部先生の時代物は甘くなってきたような気がしてしまって…。

    ラストも、私としては笙さんには旅立って欲しかったような。でもそれは今だけであって、いつか必ずまた和香さん達と再会を果たす時が来るんだろうな、という余韻だけ匂わせてくれる方が好みだったなあって思ってます。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます(*^-^*)

      私も「堪忍箱」読みました。
      そうですね、この「桜ほうさら」はどちらかというとセンチメンタルな描写が目立つ気がしますね。

      このラストは人によって好みが分かれそうですね。
      私はその嘘を背負って今まで通りというのが酷だけど現実的だと思いましたが、いっそ一人で旅立たせるところで終わるのも、確かにその後の余韻が残っていいかも知れませんね。

      こういう感想を出し合えるのはとても嬉しいです(^-^)
      ありがとうございます。

      削除